稚魚育成STEP1卵・採卵・孵化
コリドラス・パラレルス(通称コルレア)に魅了され、仕事をしながらコルレアのブリードを趣味として楽しんでいます。
コリドラスやコルレアの飼育方法検索してもなかなか出てきませんよね?
しかも何が正しいのかわからない。
私もそうでした。
今日は、コルレアの飼育でも特に卵→採卵→孵化までについて実体験に基づいて説明していきたいと思います。
本記事のテーマ
コリドラス・パラレルス(コルレア)の卵をなるべく多く孵化させる方法
読者さんへの前置きメッセージ
コリドラス・パラレルス(コルレア)の卵の採卵から孵化させるまでについて解説しています。
この記事を読むことでどうなるのか
コリドラス・パラレルス(コルレア)の卵の採卵の仕方や、孵化率アップができる方法を知ることができます。
本編
卵のスぺック(サイズ・色・硬さなど)
コリドラス・パラレルス(コルレア)の卵はおよそ2mmほどです。
コリドラスの卵の中では割と大き目な卵のようです。
水槽内で産んでいれば目を凝らさなくても気づくと思います。
白くて半透明なものや真っ白のものがあります。
真っ白なものは無精卵で、のちのちカビてしまうので処分した方がいいのですが、有精卵か無精卵かの見極めに慣れるまではカビが生えてからの処分でもいいと思います。
有精卵・無精卵の違い
有精卵は半透明です。
時間が経過すると中に目が見えるようになり、動いたりもします。
無精卵は濁りがあって真っ白になります。
どこに産むか
卵をどこに産むかですが、
- 水槽の壁面
- 水草の裏表
- フィルターの吸排水口
- シェルターの外や中
- 床に落としている
など様々です。
要するに水槽内であればどこにでも産みますよって感じです。
ただ、最近
産卵するメスによって生む場所に傾向がある
ことに気づきました。
また、
産むメスによって孵化率が変わる
ことも実感しています。
うちの場合は、ガラス面・水草(うちの場合はアヌビアス・バルテリー)にめっちゃ産んでる場合は、孵化率が高いメスの産卵で、フィルターや地面にボロボロ産んでいるメスの場合は孵化率が低い傾向にあります。
採卵すべきか
ブリードを楽しみたいのであれば、採卵はすべきです。
理由は、
- 採卵しない場合、ほかの魚に食べられてしまう
- 自分でえさにありつけないことがあり、餓死する
- 卵同士がくっつき、カビた無精卵のカビが有精卵に移る
など、要するに孵化率が落ちます。
ただ、採卵しなくても全く育たないというわけではありません。
うちの場合は野良も育っています。
採卵の仕方
採卵のときにつかうものは、
サテライト Lと「人差し指」です。
また、どこに採卵するかですが、サテライトLの中に採卵しています。
うちの場合は、サテライトLに採卵し、そのまま親水槽にサテライトLをかけるのではなく、稚魚育成水槽(30cmキューブ水槽)にサテライトを設置するようにしています。
親水槽にサテライトをかけていると、親がまた産卵したとき、採卵の邪魔になることが一番大きな理由です。
また、サテライトから稚魚が親水槽に脱走したら回収が大変なのですが、稚魚育成水槽だと回収が楽です。
ですのでうちの場合は親魚水槽と、稚魚育成水槽を分けています。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
採卵時はサテライトに稚魚育成水槽の水を3分の1程度入れておきます。
そしてそれを親水槽に引っかけておいて、卵をひとつずつ壁にくっつけていきます。
壁にくっつける理由は、その方が孵化不全を起こしづらいからのようです。
床に落ちてても孵化するものはします。
なるべく壁面に張り付けましょうといった感じです。
張り付けるときは、当然ですが飼育水が満ちている壁面に張り付けてくださいね。
卵が乾燥してしまいます。
3分の1しかサテライトに水を入れない理由は、
サテライトを満タンにしてから採卵し、手を入れて壁面に貼り付けようとすると水があふれ出してしまうからです。
ですから、卵を張り付けるところがなくなったら稚魚水槽の水を入れて卵を貼りつけられるエリアを増やして下さいね。
卵はコルレアが産卵したその日の採卵であれば卵に粘着性があるので、壁に貼り付けることができますが、翌日以降の採卵ですと粘着性がなくなっていますので床に置かざるを得ません。
また、卵を壁に貼り付けてね!とほかのサイトにもよく書いてありますが、意外と難しいんですねこれが。
指先に卵をくっつけるところまでは簡単なのですが、壁にくっつけようとすると、指に強くくっついてしまって壁にくっつかないんですよね。
これ採卵あるあるです。
私の場合は、指に卵をくっつけ、壁に軽く押し付けます。
その後壁に対して平行に指を動かし、卵を転がしながら徐々に指を壁から遠ざけます。
これが結構うまくいきやすいので試してみてください。
卵を壁に貼り付けて、壁から垂直に指を離そうとすると、卵も壁から離れてしまうことが多いです。
あとは採卵→貼り付け→サテライト内の水位上昇を繰り返し、稚魚育成水槽にサテライトをかけて、飼育水が循環するようにします。
サテライト内の飼育水循環
サテライト内の飼育水循環は
この中が綺麗に循環できることによって生存率が大きく変わると思っています。
あくまでも我が家でやっている方法ですので、自己責任でお願いします。
やることは以下です。
- サテライト内に稚魚用シェルターを設置
- Tetraの超小型フィルターを稚魚育成水槽に設置
- サテライトのL字吸水パイプをさかさまにとりつけ
- 超小型フィルターとL字吸水パイプを接続
- 超小型フィルターを稼働させて飼育水循環
①サテライト内に稚魚用シェルターを設置
稚魚は暗いところを好みますので、孵化してすぐに隠れられるようにシェルターを用意してあげます。
市販のものでもいいですが、うちの場合は、オリジナルの稚魚用シェルターを作成しています。
詳しくは別記事で記載しようと思います。
素材はヤコのオーブン陶土というものを利用しています。
妻と娘も作ってくれました。
②Tetraの超小型フィルターを稚魚育成水槽に設置
サテライト純正のエアレーション式の給水口でもいいのですが、エアーの音がポコポコうるさいのが気になるので私はこちらのテトラ マイクロフィルターを使用しています。
③サテライトのL字吸水パイプをさかさまにとりつけ
排水箇所をサテライトの底面にすることでポコポコ音をゼロにします。
④超小型フィルターとL字吸水パイプを接続
超小型フィルターから出た水をL字パイプを通してサテライト内に水を循環させます。
⑤超小型フィルターを稼働させて飼育水循環
超小型フィルターの排水口は複数ありますので、使用していないところはチューブで蓋をしています。
また、うちではL字パイプからでる水だけでは循環が足りないので、サテライト内の水を循環させるためにL字コネクタを使用して水を送り込んでいます。
サテライト内に水流ができるので、水流を好むコリドラスにはいいのかなと思っています。
水流が嫌ならシェルターに逃げることもできますし、水流があるのでサテライト内が汚れにくいです。
孵化率アップのコツ(ブラックウォーター化)
あとは個人的には卵の孵化率を上げるときに大事なのはブラックウォーター化だと思ってます。
ブラックウォーターとは、Wikipediaによるとこんな感じです。
陸水学におけるブラックウォーター(英語:blackwater)とは、木の茂った湿地や沼地を通る、水深が深く、流れが遅い河川のことである。枯れ葉などが川底に堆積しているので、それからタンニンがしみ出して流れている水は透明な黒〜茶色に着色され、酸性河川となっている。代表的なブラックウォーターは、南アメリカのアマゾン川水系に多い。ここでいう"ブラックウォーター"とは、陸水学、地質学、地理学、そして生物学的な研究によって定義される物であるから、流れている水が黒い川がすべてブラックウォーターであるという訳ではない。
要するにタンニンという物質が染み出た黒い水のことで、コルレアが本来住んでいる水もこんな感じです。
殺菌作用があるようで、飼育水をブラックウォーター化することによって、卵のカビを防ぐことができます。
ブラックウォーター化するには、方法がいくつかあります。
- マジックリーフを水槽内にドボン
- ピートモスを水槽内にドボン
- ブラックウォーターの素を水槽内にドボン
うちのばあいはTetraのブラックウォーターを水槽内に投入するのと、エーハイムのトーフペレットを併用しています。
最初のころばブラックウォーター化していませんでしたが、その時に比べると明らかにカビません。
コリドラス・パラレルスの卵が孵化するまで
ここまで準備できたらあとは孵化を待ちましょう。
だいたい産卵から4日ぐらいで孵化するはずです。
孵化したらシェルターの中を覗いてみてください。
たくさんの稚魚がいるはずです!